なぜ子どもたちはプログラミング教室に通うのか

去年は東京と群馬で600回以上教室を開催しました。1年以上通っている子どもも多く(長い子どもは4年とか)、その間の子どもの様子や変化は大体頭に入っています。お母様方とも毎回色々な話をします。そこで得た知見は、役所のためにポッコリ作った実証データとは精度と深さが違います。

「なぜ子どもたちはプログラミング教室に通うのか」。この質問に対する答えは2つのレベルで異なります。一つは「通い始めた動機」、もう一つは「通い続ける理由」。

前者については、よくあるキャッチコピーと同じで「時代に必要な知識とスキル」「プログラミング教育必修化の先取り」「得意を見つける、伸ばす」といったものです。子どもの取組み姿勢は「アグレッシブ」「とりあえず」「いやいや」に大別できます。「親の野心」の度合いも影響します。

後者については、あまり世の中に情報として出ていません。長く通っている子どもについての、ある程度のボリュームを持った時系列的なデータがないからです。

当社のデータはすべて、一人ひとりの顔と性格が浮かぶ子どもとのやり取りに基づいています。「なぜ子どもたちはプログラミング教室に通い続けるのか」。その理由は圧倒的に「勉強でも遊びでもない第3の時間」がそこにあるからです。

もちろんプログラミングの上達を目指して上に抜けていく子どももいます。あるいは親にやらされて来る子どもは長続きしません。でもかなりの割合の子どもたちがずっと通い続ける理由。それは「押し付けられた勉強と遊び(勉強逃避)の緩衝地帯」になっているからです。

プログラミング教室に行くと毎回なにか「興味深い学び」があることも、後ろめたさを感じないで堂々と通える要因になっているようです。なにせ大人の知らない学習領域ですから「こんなこと勉強したよ」と話すと、それが大したことでなくてもお母さんは「すごいわね」とほめてくれます。

プログラミング教室は、国や関係者の大人の思惑とは別に「追い詰められた子どもたちの行き場」として色々な方向に展開できそうです。強制力が強いマインドセット型の日本の教育。このバランサーとして、プログラミングを超えた役割を担えたら、と思っています。