イレブンナインの日本社会

日本人は良くも悪くも完全完璧を目指す民族です。そしてそれは一途で実直な教育や職業を通じて、「99.999999999%」という9が11個も並ぶ純度や精度を信仰する人たちを増やしてきました。

日本ではいろいろな場面で「それはあってはならないこと」という言葉をよく聞きますが、世界の常識は「何が起きても不思議はない」。「すべては当然起こりうる」を前提に社会システムが組まれています。

日本人のイレブンナイン信仰はこれまで、工業や研究開発、品質、サービスといった面でプラスに作用してきました。しかし、世の中が日本だけでなく世界規模で繋がってくる時代になると、逆に変化や成長、チャレンジの大きな足かせとなってきています。例えば

▲日本人の3K気質(気配り、こまかい、気が小さい)
 ⇒ 気にしすぎ、過敏症で、極端にアウトプットが低い

▲企業のCSS体質(コンプラは大丈夫か、失敗したらどうすんだ、そらみたことか)
⇒ 結局は「なにも変えないのがベスト」に収束する

▲学校のYMM主義(よく読め、見直せ、間違えるな)
⇒ 予定調和型の安全運転人材しか育たない

かつてはイレブンナイン信仰でシアワセを膨らませた日本人ですが、いまやそれでシアワセが小さくなっています。煮詰まったイレブンナインが自分たちの首を絞めるようになったとき一番の被害者は、これから人生を生きていく子どもたちです。

英語が話せない、自信のない答えは書けない、試行錯誤より正解を大切にする、等々。思い当たることはたくさんあります。これらはどれも「教育や社会環境による大きな副作用」と言えます。

「いろんな人がいる」「いろんな考え方がある」というデコボコな多様性を受け入れる社会や時代では、「失敗は当たり前」という気持ちでどんどんアウトプットすることと、それを積極的に応援する手段と環境、社会の度量が必要になっています。